草木染めヨガマットができるまでのお話

スタジオでボロボロになっているゴムのヨガマットを見ながら、
「いずれゴミとして廃棄されるこの土に還らないヨガマット。
工場で作られて、廃棄処分されるというこのデザイン。
ヨガに携わる者として、なんとかもっと美しい循環に転換できないだろうか。」
そう思ったところから始まったこの草木染めヨガマットプロジェクト。
去年、南インド、オーロヴィルの近くにあるローカルの村に住む、織物職人シャクティと出会い、
彼にオーガニックコットンの草木染めの糸を仕入れてもらうところから始まりました。

「注文があれば糸を買って織ることができる。そして『手織り』という仕事を維持して行くことができる。」
手織りを愛する純粋さと情熱はしっかりと伝わってきて
その言葉を受けて私は草木染めヨガマットを彼と一緒につくることを決意しました。
化学染めの糸であれば在庫で作れるので私たちの負担は少ないのですが
本質的なところでサスティナブルなモノを作りたいので、
リスクはあったけれど、倍以上の値段がする草木染めの糸を仕入れることにしました。
注文してから染め上げるので、草木染めの糸を買うとなると、かなりの量をまとめて仕入れなければならないのでドキドキ。
「失敗しても後悔はしない、織物職人さんに仕事が作れただけで成功と思おう!」と覚悟。
買ってくれる人いるだろうか?
理解してくれる人はいるだろうか?
ドカンと使っちゃったお金、ちゃんと廻ってくるだろうか。
いや、絶対に廻ってくる!
ちょっぴりハラハラしながら
私的には本当にドキドキしながらのチャレンジでした。


何度か打ち合わせを重ねて、糸を仕入れるお金も入れて、
2019年の3月、帰国直前に本格的に始動しました。
私達が帰国して、ネットで連絡を取り合いながらの作業はなかなか難航。
なかなかイメージが伝わらないところから始まり、失敗も重ねながら
やっとイメージに合うマットが出来上がって来ました。
実は1回目のサンプルが届いたところから、ふと連絡が途絶えてしまい
かなり不安になりました。
後からわかったことなのですが、シャクティの脳に問題が起こり入院していたそう。
そして、おそらくこの期間に彼1人ではマットをおることができず
外注することになったのだと思います。
普段は数量が多いと近所で織物をしている女性たちに織りを依頼していると言っていたので
女性達が織っていると思っていたのですが、
周りの人達は皆、すでに織りの仕事を辞めてしまっていたそうで。
そこで、彼はとある「織物の村」の職人さん達に私達のマット製作を依頼したそう。
この村の人達とシャクティの繋がりがまた面白い。

彼は自分が織物に関わっているというところから、タミルの織物の歴史や文化など調べていて
織物の村があると聞けばそこへ足を運んでいたそう。
そしてこのオーロヴィルから車で6時間離れた村に出会い感動し、
度々通い、この村の職人さんをサポートするために、自分のところに仕事が入れば
こちらに依頼をしてマットを織ってもらっていたそう。
というか、職人さんに仕事を作ろうと頑張って動いていたみたい。
実はこの村でも現役の職人さんは、現在70代の男性2人が本格的な織りをしているのと
若い女性が20名弱、Tシャツの切れ端などを使ったリサイクル素材の簡単なマットを織っているのみ。
若い男性は現金を稼ぐため、外に会社勤めをしているそう。
「織物」という文化は今にも途絶えるところに来ている。
ということで、シャクティはこの村のたった2人の本物の職人さん(『マスター』と呼ばれる皆のリーダー的存在。)に私達のヨガマットの製作を依頼していたという流れでした。
そんなことはつゆ知らず、2020年、今年のインド滞在でシャクティと再会。
連絡がつかずに遅れていた残りのマットについて話さねば、、、と
ちょっと氣が重かったのですが。
いろいろと話が進み、今回この村を訪れることになり全貌が明らかに。
シャクティが今まで語らなかった彼自身の素晴らしい活動と繋がりを知ることになりました。

織物の歴史を途絶えさせたくない。
織物という文化を繋ぎ続けたい。
職人さんの仕事を守りたい。作りたい。
それが私たちが出会ったシャクティの想い。情熱。
美しい循環の中で作られたものを世界に広めたい。
環境負荷のなるべく少ないものを選べる世界にしたい。
それが私の想い。
そんな想いが合わさってできた私たちのヨガマットです。
こんな風に、国境を超えて、文化を超えて
人の想いがシンクロしてハーモニーになる。
そういうことってすごく貴重だなと思う。
小さなことかもしれないけれど
未来をほんの少し優しくできるかもしれない。
もちろんあれこれ大変なことも満載なのだけれど
優しさと美しさと純粋さの循環が生み出せていることが嬉しい。
長くなるので、村の滞在レポートはまた後日。

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